チェンジリングを見た。

  • 2009.02.22 Sunday
  • 22:15
 こんなに上映中にどきどきした映画は生まれて初めてだった。鼓動とめられない,映画の中に引き込まれていく。そして見終わった後の何ともいえない気分,最上級の映画だと思う。

 ちなみに見ていない人はここから先を見ないで欲しい。こんな文章を読む暇があるくらいなら,映画館に行って欲しい。
 当初,CMを見たときは,政治的な事件なのかと思った。CMで与えられた情報は「子供が居なくなること」,「帰ってきた子供は別人であること」,「警察が捜してくれない(=隠している?)こと」,「話は実話」の4点だった。
 ここから自分が導きだした答えは政治的な陰謀(理由)の下,組織が子供を隔離し,何か大きなことに利用しようとしているといった,サスペンスだろうと考えた。

 大外れも良い所である。実際は「ちっぽけな子供のいたずら」と「残虐な事件」とが絡み合い,そこに腐敗した公的機関という当時の情勢が偶然という言葉で片付けるにはあまりにも出来すぎなタイミングで重なり,「事実は小説よりも奇なり」という言葉がピッタリな出来事を描き出していた。
 何が言いたいのか自分でもよく分からないが,きっと映画を見た人ならば,少しは伝わるのではないかと期待してみる。

 僕はそんな風に限られた情報から間違った答えを引き出して,なお途中までその答えを疑わなかった。それが間違いではないか,と疑ったのは,子供が出てくるシーンだった。カナダへの強制送還を待つ子供が,近くに座っていた子供が定規を自分の膝に打つ,ただ上下に打つだけのしぐさに,おびえ叫びだすシーンである。
 それまでの僕の考えは方向違いだったことに感づいてからは,ジェットコースターに乗っているようだった。ドキドキが止まらない,結びつくはずのない2つのレーンが,ぐんぐん近づいていき,結びつく瞬間のように。やめてくれと叫ぶ暇も無いくらい,真実は鮮やかに一つに結びついてしまったのだ。

 この時のドキドキは何なのだろう,正直分からない。面白いのか,怖いのか,楽しいのか,悲しいのか,それすらも分からない。分かるのは胸がはちきれそうだったこと。

 そこから,一気に物語りは加速し,喜怒哀楽すべての感情を刺激していく,それも極めて上品に。観客の感情を強制するような無粋な真似はこの映画はしない,見ている者が自由にされど必ず何かを感じるように刺激し続ける。

 この映画の最後は多分見た人によって違う感想を持つのではないかと思う。それは悲しい映画とも,もしかしたらハッピーエンドとも取れるのではないかと思う。現に僕はハッピーエンドのような気がした,母は最後に希望を与えられたと笑う,その姿は寂しくもあり,たくましくもあり,そのようなはっきりしないエンディングには憤りに似た,だけども爽やかさが感じられる,そんな気持ちになった。この映画は間違いなく生涯忘れられない一本にだった。ありがとう。

<本日のヒトコト>
 映画って本当に良いものですね。
コメント
コメントする








    
この記事のトラックバックURL
トラックバック

calendar

S M T W T F S
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031    
<< December 2019 >>

selected entries

categories

archives

recent comment

recent trackback

recommend

links

profile

search this site.

others

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM